財務大臣「中国さん、あんた大丈夫?」発言の意図とは

「中国さん、あんた透明性は大丈夫?」
~麻生財務相

冒頭の発言があったのは、G7(主要7ヵ国)財務相中央銀行総裁会議中央銀行デジタル通貨(CBDC)のルールを策定すると発表した後の記者会見です。
日米欧は中国の突出ぶりに警戒を強めており、発行の条件として透明性や法の支配などを挙げて牽制した形ですが、どこまでブレーキをかけられるかは不透明です。

背景には、デジタル人民元が実用化に近づいているとの認識があります。
深センでは、5万人に合計1,000万元(約1億6,000万円)分(!)を配布しての大規模な実証実験も始まっています。
実用化に向けた課題を調べつつ、2022年の北京冬季五輪までに発行する計画です。

中国国内での利用にとどまらず貿易決済などを通じて世界的に普及すれば、相対的に基軸通貨のドルの地位が低下して、ドル取引を禁じるといった金融制裁の効力も弱まりかねません。
また、先行するデジタル人民元が特許の取得などで技術面の国際標準を握るような事態になれば、各国がCBDCを発行する際の足かせになります。
しかし、利用者保護など慎重に検討すべき課題も多く、一足飛びに追い付けるものではありません。

今後、日米欧が連携して普遍的な枠組みの共有を促せるかが焦点になります。
G7会議後の記者会見でいくら強がってみせても、そもそも中国はG7に参加していないのですからね。

中銀デジタル通貨、中国の突出を警戒 G7がけん制

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