なぜお賽銭ではキャッシュレス決済が使えないのか

寺社がお賽銭をキャッシュレス化するのは違反――?

新型コロナによる非接触化が広まっていますが、PayPayでは、加盟店による商品や権利を提供しない寄付や賽銭を禁止しています。
商品やサービスの対価として支払いを受けるのとは異なり、寄付や賽銭は法律上の建て付けでは送金として取り扱われます。
PayPayは支払いのためのシステムであるため、QRコードを賽銭箱に貼り付ける行為は規約違反となります。

なお、好きな金額を渡せるわけではないものの、お参りのタイミングで線香やロウソクを販売して商品の対価として受け取るのであれば違反にはなりません。
拝観料や修行場へ立ち入る場合も、サービス提供への対価ですので問題ありません。

一方、みずほ銀行スマホ決済サービスJ-Coin Payは、神田明神東本願寺などで賽銭の受け取りにも用いられています。
これは、PayPayが資金移動業者の認可でサービスを提供しているのに対し、J-Coin Payは銀行口座に紐づいた仕組みで、振込と同様の仕組みでサービスを提供しているため可能となっているのです。

J-Coin Payには、宗教法人からの問い合わせや導入が増えています。
銀行の硬貨受け入れ手数料の有償化が、小銭の集まりやすい寺社にとっては大きな問題となっていることが理由です。

需要が増えているのですから、今後、新たなサービスも登場しそうですね。
PayPayが寄付や賽銭を禁止しているのは、法人(特に宗教法人)への送金の審査プロセスが法的にややこしいためともいわれています。
事業者には、その審査プロセスを構築できるか、別の仕組みとうまく組み合わせられるかのいずれかが求められます。

「お賽銭」でキャッシュレス決済が使えない理由【鈴木淳也のPay Attention】
少し季節外れだが、今回は「賽銭のキャッシュレス化」の話題に触れたい。初詣のために神社や寺に多くの人が集まり、本殿までの道に行列を作るという光景はコロナ禍において過去のものとなった。...



『当コンテンツはICO研究室のサイトから情報の提供を受けています。更新情報がある場合がありますので、興味がある情報はICO研究室のサイトをご確認ください。https://bclj.info/