インタビュー:TECHFUND、スタートアップ支援の今後

ヨーロッパに新たな拠点を設置した、テクノロジーアクセラレーター株式会社TECHFUNDの創業者、川原 ぴいすけ氏を取材しました。
PR TIMESプレスリリース(外部サイト)

 

今回は、スタートアップ支援の視点から見た今後どうあるべきか詳しく聞いていきます。

ヨーロッパからのSTO(セキュリティトークンオファリング)の支援とTECHFUNDのこれまでの取り組みについての質問をまとめた前回はこちらです。
地方都市でのスタートアップは少ないように思うが、原因や理由はあるのか?
地方でのスタートアップがいない理由は、成功した起業家がいつまでも東京に留まっていることが最も大きな原因かと思います。
イグジット(投下資本を回収)して連続起業家兼エンジェル投資家となった起業家が積極的に地方に移住……といかずとも関係人口になれば、エンジェル投資(創業間もない企業に資金を提供する投資)も活発になり、またイグジットさせる過程で培った知識は地方の方々にとって何よりの価値になると思っています。

私のちょっとした被害妄想かも知れませんが、地方だとそもそも“スタートアップ起業って世の中的にリスクはあるけどお金なさそう”って思われてますよね。

地方に行けば行くほどこの傾向は顕著で、職業としてのスタートアップ起業が成立していない、言い方を変えるとスタートアップ起業における成功体験やロールモデル、突き抜けたアイコン起業家がいない(あるいは、いたけれど東京に吸い上げられてしまった)のが一番の原因かなと思っています。
東京だと累計資金調達金額が100億円超えしているようなスタートアップ企業も現れはじめましたし、シリーズA以降のスタートアップ企業であれば、福利厚生も充実してますし、給料もいいですし、何より優秀な人たちがたくさんいますので、今の環境よりも成長できる!といって大企業を辞めて転職する方も多いですから。
こういった地方と東京のスタートアップ起業における根本的な認識の違いこそが市場醸成の大きな障壁となっているような気がします。
これからの1番大きな野望は?
会社の意見というより個人的ないち起業家としての野望は、イグジットの多様性を作ることですね。
私は「全人類の挑戦(スタートアップ)を加速させる!」という個人ミッションを掲げて、職業アクセラレーターとして活動していますが、その3つの柱 ①全人類の挑戦をスタートさせる ②全人類の資金調達を成功させる ③全人類の挑戦の流動性を高める のうち、③については今の世の中のWeb3の流れもあり、これからTECHFUNDとしても力を入れていきたい分野です。


具体的にはSTOをより一般化してエクイティ(株主資本)をトークン化することができる世界線などはどうでしょうか?
例えば今私が皆様とお話しているこのZoom背景にQRコードを掲載し、そのQRコードを専用のアプリケーションで読み取ったら、0.01%分のエクイティトークンとお手持ちのイーサリアムを交換する形で引き受けることができるような仕組みです。
これは、ウォレットからイーサリアム(ETH)を送金してくれたら購入できたICOの世界観に近いかも知れませんが、ICOとは違い、より証券性の高い形でレギュレーションに則ったトークンオファリングができればスタートアップの挑戦の流動性も高まると信じています!

エクイティトークンではないのですが、既にP2Pによる金融サービスいわゆるDeFiの流れは開発途上国を中心にどんどん加速しており、アフリカ全土では中央銀行は国民にまるで信用されていませんが、M-Pesaと言う民間事業者が作った送金アプリケーションだけで全く銀行を通さずにお金を送金し合っているそうです。
このように現在のスタートアップエコシステムには、証券取引所への株式公開や大企業へのイグジットという選択肢のみに閉じず、時にはエクイティトークンによるセカンダリーでの販売、DAOによって小さな経済圏を作ったり、そもそもイグジットを目指さないゼブラ企業としての在り方の推進、など「多様性」が求められていると思います。

当社TECHFUNDは、その多様性を最大化させるべく、テクノロジーアクセラレーターとしていろんなアプローチを実践していきます!

(2022年6月22日に行ったWeb会議システムによる取材を基に編集)

TECHFUND EUROPEを設立。ヨーロッパ投資家からのセキュリティトークンによる資金調達(STO)をサポート
ブロックチェーンをはじめトークンスタートアップのアクセラレーションを行ってきた株式会社TECHFUND(所在地:東京都渋谷区、共同創業者:川原 ぴいすけ、松山 雄太)は、...



『当コンテンツはICO研究室のサイトから情報の提供を受けています。更新情報がある場合がありますので、興味がある情報はICO研究室のサイトをご確認ください。https://bclj.info/