ルパン三世Pay、独自電子マネーで町内経済を回す

北海道の東岸にある浜中町では、独自の電子マネールパン三世Pay」が使われています。
浜中町は、日本一の昆布の産地であるとともに「ルパン三世」の作者モンキー・パンチ氏の出身地です。

人口5,500人の浜中には大きなショッピングセンターなどがなく、大きな買い物は釧路や根室でするため、なかなか町内でお金が回らないという課題がありました。
それを解決する施策として考えられたルパン三世Payは、町内の加盟店でのみ利用できるチャージ式の独自電子マネーです。
既存キャッシュレス手段を採用すると、決済手数料としてお金が町外に出ていってしまいますが、ルパン三世Payは独自の電子マネーなので、チャージしたお金は全て浜中町内で消費されることになります。

ルパン三世Payのターゲットは浜中町民で、プレミアムの付与率を高め即時利用可能にするなど利用者の利便性も高めて、町内の経済が活性化するように作られています。
もちろん、町外の人でも加盟店か浜中町商工会で1,000円以上チャージすることで手に入れられます――浜中へ行く機会があれば、ぜひ欲しいですよね。

今年(2021年)7月末の加盟店は44店舗となっていますが、POS連携できないなどの課題もあり、個人経営の店舗が中心で大きめのスーパーはまだ加盟していません。
しかし、商工会の副会長が経営者の1人だったこともあって、町内に3店舗あるコンビニエンスストアが加盟しているのは利便性において大きな勝ち点です。
今後は、コストがかかるためすぐには難しいとしつつもスマートフォンへの対応を必須の目標に掲げています。

キャッシュレスの普及は進みつつあるものの、大都市圏に比べると地方での普及率は低いです。
しかし、決済手数料という形で地域外にお金が流れ出ることのなく地方内で経済を循環する仕組みは、地域経済活性化の手段の1つとなりそうですね。
経済産業省の補助制度「面的キャッシュレス・インフラの構築支援事業」の存在も追い風です。

課題の導入・運用コストも、ブロックチェーン基盤のオープンソースなんかが出てくれば下がるかも知れません。

ルパン三世Payに見る、地方都市での独自電子マネー導入の取り組み
経済産業省が実施している「面的キャッシュレス・インフラの構築支援事業」。地域の店舗が一体となって進めるキャッシュレス導入の取り組みに対して経費などを補助する制度で、実際にこの制度を利用してキャッシュレス導入を進める取り組みが全国各地で進みつつある。...



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