仮想通貨市場は貪欲と無法に満ちた西部開拓時代!?

欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は、現在の仮想通貨市場を貪欲と無法に満ちたアメリカの西部開拓時代になぞらえて批判しています。

西部開拓時代とはアメリカ内陸部から太平洋岸までが開拓された19世紀(特に1860〜90年)頃ですが、実は通貨に関する法規制はこの時代に整備されています。
それまでのアメリカには政府発行の紙幣はなく、さまざまな銀行が発行した多種多様な硬貨や紙幣が乱立する分散型通貨システムでした。
しかし、疑わしい資産を裏付けに発行されて債務不履行に陥るものも多く、1861年に勃発した南北戦争を契機に通貨監督庁(OCC)や国立銀行システムの樹立を通して政府による独占的支配が打ち立てられました。

1862年――通貨として流通させることを意図して、1ドル未満の価値を持つ証券を発行することはできない。

1864年――流通通貨という目的で使われることを意図した、いかなるコインも発行したり手渡してはならない。

これらの法律は今も有効です。
そうなると、仮想通貨(特にステーブルコイン)の発行は違法ではないのかということになるのですが――

通貨監督庁(今も健在!)の2021年の解釈によれば「独立ノード検証ネットワーク上で法定通貨を表す手段として機能する支払いの仕組み」とされています。
つまり通貨そのものではなく、支払人と受取人の間でやり取りされる額面の証書(スクリップ)という定義なんですね。

パネッタ専務理事は「仮想通貨は、銀行に対する不信感の高まりと技術革新が相まって生まれたデジタルゴールドラッシュという新しい夢」であるとも評しています。
もしそうなら、今は新たな開拓時代の始まりの時期なのかも知れません。

ステーブルコインに影響を与える南北戦争の遺産 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン

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