次の20年のために、金融庁に暗号資産の税制改正要望提出

国内の業界団体である日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が、税制の改正を求める要望書を金融庁に提出しました。

利用者は2022年3月には585万口座に達しています。
FX(外国為替証拠金取引)が総合課税から分離課税に見直された時の水準である360万口座を大きく超えているため、税制改正を検討するのに十分な成長を遂げたと見られるからです。

要望の主な点は以下です。
分離課税
――暗号資産取引による利益への課税は20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除できるようにする。

さまざまな法改正によって伝統金融商品に近い規制やコンプライアンスなどが求められているにもかかわらず、税制のみ株やFXとは異なっているのは、整合性が取れていません。
分散型の金融商品であるために利用者の自主的な申告が必要で価格変動も大きい暗号資産で同様な損失繰越控除が実現すれば、その利点は大きいです。
法人税
――期末時価評価課税の対象を、短期的な価格の変動か市場間の価格差を利用した短期売買目的で保有している暗号資産に限定する。

税制が足かせになるとして有力スタートアップが国外への流出が相次いでおり、フィンテックの中核をなすブロックチェーン技術の開発で日本が競争力を失いかねません。
会計上の論点もあり改革に時間を要する可能性が高いですが、比較的整理のつきやすい「自社発行したトークン分を対象から除外する」と「対象を短期目的の保有に限定する」であれば、早急な対応が可能です。
資産税
――相続により取得した暗号資産の譲渡原価の計算について、取得費加算の特例の対象とし、上場有価証券と同様に相続日の最終価格・過去3ヵ月の平均時価の最も低い額を時価とする。

相続して売却する場合、雑所得であるため取得費加算の特例は適用できず、最高税率で55%が課税されます。
そのため、相続時と売却時の2段階で最大110%(!)という相続暗号資産価値を超える過大な納税額負担が生まれる場合があります。
「暗号資産およびWeb3.0でも同様に賛否両論がある中で、新しい経済圏として一つのインフラとして確立する可能性が高いと感じており、あらかじめ布石を打っておくことこそが国家戦略として重要ではないか。
さもないと、次の20年間でも再び他国に後塵を拝することになりかねない。」
〜JCBA税制検討部会部 斎藤会長


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