アメリカで施行済みのDAO法に見るDAOの法的位置付け

自律分散型組織(DAO)の法的根拠は――?

DAOは、組織の効率的な運営を実現する試みとして創られました。
意思決定はメンバーによる投票で行われ、決定された事項はプログラムにより自動的に実行されるため人による恣意的な改ざんや不正が発生することはありません。
また、意思決定や活動は公開されます。

現時点で日本には、DAOに法的根拠を与える法律はありません。
しかし、2022年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、Web3.0の推進に向けた環境整備の1つとしてDAOの法的位置づけの整理に取組むことが挙げられています。

アメリカのテネシー州ワイオミング州では、既にDAOを組織管理の一形態として認める法整備が進んでいます。
一般的な会社組織と異なる点として、組織運営をメンバーによる人的管理型DAOにするか、事前に設定されたプログラムに基づくアルゴリズム管理型DAOにするかを選びます。

アルゴリズム管理型DAOの場合、プロジェクトの実現に向けた提案方法・DAOメンバーによる投票ルール・投票日程・投票結果に基づく資金の送金プロセスなども事前にプログラミングされたとおりに実行されます。
有史以来、人が行ってきた組織運営に関する業務も決め事に従って自動的に行われる――それが法律として既に成立しているとは!

なお、新しい組織形態であるために、DAOのメンバー間での争いについて解決する法的な枠組みがない点は注意する必要があります。

Web3.0「DAO法」の衝撃 ~組織運営の効率化・透明化につながる「日本版DAO法」への期待~ | 柏村 祐 | 第一生命経済研究所

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